フリーランスや個人事業主として活動を始める際、多くの人が最初に悩むのが「開業届を出すべきかどうか」です。
開業届を提出すると、正式に個人事業主として認められますが、同時に税金や手続きに関するルールも発生します。
この記事では、開業届を出すことで 「何が変わるのか?」 を詳しく解説し、メリット・デメリットを整理します。
開業届とは?
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開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書) は、個人が事業を始める際に 税務署に提出する書類 です。
提出先は、事業所(自宅でも可)を管轄する税務署 で、原則として開業から 1ヶ月以内 に提出が求められています(提出しなくても罰則はなし)。
✅ 提出のタイミング
- フリーランスとして仕事を始めた
- 副業が軌道に乗り、収入が増えてきた
- 法人成りせず、個人事業として継続したい
これらに該当する人は、開業届の提出を考えましょう。
開業届を出すメリット
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① 青色申告ができる(節税効果)
開業届を提出すると、確定申告の際に 「青色申告承認申請書」 を出すことが可能になります。
✅ 青色申告の主なメリット
- 最大65万円の控除(複式簿記を適用した場合)
- 家族への給与を経費として計上可能(専従者給与)
- 赤字を3年間繰り越し 可能(翌年以降の黒字と相殺)
青色申告により、所得税や住民税を大きく抑えられる可能性があります。
② 屋号を使える
開業届を提出すると、事業の屋号(ビジネスネーム)を持つことができます。
屋号は銀行口座の開設や請求書の発行に使えるため、個人の名前を出したくない人にも便利 です。
✅ 屋号をつけるメリット
- ビジネスの信頼性が上がる
- ビジネス用の銀行口座を開設できる(一部のネット銀行では開業届なしでも可能)
③ 事業用の銀行口座が作れる
屋号付きの銀行口座を作ることで、プライベートの資金と事業資金を分けやすくなります。
経理がスムーズになり、確定申告時の作業も楽になります。
④ 事業用のクレジットカードを作れる
個人事業主でも、事業専用のクレジットカードを作成できます。
これにより、経費管理がしやすくなり、経理の手間を減らせる だけでなく、キャッシュフローの改善 にもつながります。
⑤ 仕事の信用度が上がる
開業届を出していると、クライアントや取引先からの信用度がアップします。
✅ 信用が必要なケース
- 法人との取引(契約時に開業届の提出を求められることも)
- 銀行融資を受ける場合
- ビジネスローンの審査
特に 法人との取引を考えている場合は、開業届を出しておくと安心 です。
⑥ 小規模企業共済や国民年金の優遇を受けられる
個人事業主が加入できる 「小規模企業共済」 にも申し込めます。
これは 個人版の退職金制度 で、掛金は 全額所得控除 となり、節税効果があります。
また、国民年金の「付加年金」 も利用できるため、将来の年金対策にもなります。
開業届を出すデメリット
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① 確定申告が必須になる
開業届を出すと、所得が少なくても 毎年確定申告をする義務 があります。
(ただし、年間の利益が48万円以下なら所得税は発生しません)
✅ 確定申告が必要な人
- 会社員の副業収入が 年間20万円以上 の人
- フリーランスや個人事業主で 年間利益が48万円以上 の人
② 国民健康保険料が上がる可能性がある
会社員時代は、健康保険料が給与天引きでしたが、個人事業主になると 「国民健康保険」 に切り替わります。
事業の所得が増えると、健康保険料が高くなる 可能性があります。
③ 失業保険(雇用保険)がもらえなくなる
個人事業主は 雇用保険に加入できません。
そのため、廃業しても 失業保険はもらえない という点には注意が必要です。
✅ 例外:会社員の副業として開業する場合
会社を辞めずに副業として開業する場合は、引き続き雇用保険の対象です。
④ 赤字でも住民税や国民健康保険料がかかる
赤字の場合でも、住民税(均等割)や国民健康保険料は最低限発生 します。
そのため、「開業したけど収入がない…」という場合でも、一定の税負担が発生する点に注意 しましょう。
開業届を出すべき?出さなくてもいい?
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✅ 出すべき人
- フリーランス・個人事業主として本格的に活動する人
- 青色申告を利用して節税したい人
- 法人との取引が多い人
- 事業用の銀行口座やクレジットカードを作りたい人
❌ 出さなくてもいい人
- 副業で 年20万円以下 の収入しかない人(確定申告不要)
- 一時的な活動で、今後継続する予定がない人
まとめ
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開業届を出すことで、節税や信用度アップなどのメリット がある一方、確定申告や社会保険の負担 も発生します。
✅ こんな人は開業届を出そう!
- 事業を本格的に行いたい
- 青色申告で節税したい
- 屋号付きの口座を作りたい
一方で、「副業として少額の収入しかない」場合は、無理に開業届を出さなくても問題ありません。
自分の働き方や収入を考慮して、開業届を出すかどうか決めましょう!
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